殴られたら殴り返せ
人間、どうしてもついていない時期というのがある。
私はその時期まっただなかなのだ。
今月のあたまに実家に帰ったのだが、そこから戻ってきてからだんだんとだらしなくなった。
自炊をしなくなったし、スポーツクラブにも通わなくなった。怠惰な日々である。
当然そういう人間には運気なんてめぐってこないわけで…
・先々週末、友達に約束をドタキャン(死語)され、そこから数日間連絡が取れなくなる。やっと連絡がついたのが先週金曜日で明日会おうと提案されるも、当日になると実はお金ないからやめにしないと掌返したようにキャンセル。
・一緒に話したりする分にはそこまで問題あるわけではないけど、仕事をさせるといろいろ難ありなバブル世代の方の教育をしなくてはならなくなる。何かあるたび教えなくてはならず疲労困憊。
・以前ブログに書いた仕事できないおじさんが何かミスをしでかすたびにぶりっこを発揮するようになった。
・某アイドルのコンサートに行った後、メンバーの元カノ騒動を知り暗い気持ちになる。売名よくない。
・熱中症なのか高熱に苦しむ連休最終日
・ポカリを買いに行こうとしたら自転車の後輪がパンクしていた。
などなど
自分のだらしなさが遠因なのかもしれないが、これは応えた。
ポカリを買ってスーパーを出てきたら小雨が降っていて、ふいにこの曲が頭で流れて思わず涙がこぼれた。
フジファブリック 『バタアシParty Night (short version)』
この曲のPVはファンの私から見てもおそろしください。ロックバンドなのにPVで楽器もなく踊ることについて初見のときは良い気持ちがしなかった。
有名な話だが、ボーカルの山内さんは20代後半から30にさしかかることから本格的に歌を始めた。
やんごとなき事情があってのことであるが、自分がもし同じ立場になったら歌うことは選択肢にないと思う。
この曲は彼らなりの挑戦なのだろう。
一般論として、大人になるとそれなりに収入とか立場とか安定し、挑戦することに憶病になってしまう。
私はうまくいかないことばかりでつらいし、殴られたら殴られたままだろう。
それでも地団太を踏みながら生活を続けていこうと思うのだ。音楽に励まされながら。
うさんくさい商法
ファンデーションを買うべく、意を決して駅ビルにあるコスメカウンターに行った。
今までドラッグストアで購入したカネボウコフレドールを愛用していたのだけど、くずれやすいのが気になっていた。
なくなったのをきっかけに某有名通販化粧品のものを買った、くずれにくいというふれこみのものを。しかしこれが失敗。なんとなくカバー力に乏しい。
そういえば昔一緒に仕事してたリア充女子はデパートでファンデーション買ってると言ってたな。そしていろいろ調べるとデパートで売ってる某メーカーのものの評判がよい。
他人に左右されやすい性分なもので、もうすっかり買うつもりになっていた。
転職活動中で企業説明会の帰り、服装もいつになくちゃんとしてるし、メイクもいつもよりしっかりしてる。あとはBAと呼ばれる美しい女性たちとうまく会話するだけ。
結果は、失敗に終わった。
企業説明会の帰りにあちこち歩き回り、うどんも食べたせいで汗だくだったのがよくなかったのか、コミュニケーションスキルの低さが災いしたのか、土曜の夕方という人の多い時間帯が悪かったのか、BAさんを呼び止めたがどことなく冷たいし会話も続かなかった。
「ファンデーション買いたい、合う種類と色を教えてほしい」ってことだけなのに。それすら成し遂げられない社会の屑。
仕方がないので通販のファンデーションを使い続けようと思う。
そして、ここからが本題。
ファンデーションの購入を諦めた私は駅ビルをぷらぷらしていた。
すると自然派化粧品のお店のうら若き店員に声をかけられた。
彼女は新製品のデモンストレーションをしてくれ、それがいかにすぐれた商品で、まとめ買いをするとお得かを熱弁してくれた。
私はその中の製品のうちのひとつが欲しくなった。ちょうどファンデーションを買うつもりだったお金は浮いているし、基礎化粧品で興味のあった商品と効能が似てるのも魅力的だった。
あれよあれよと巧みな話術に夢中になってしまったのだ。
しかし、買うのをやめた。最後の最後にうさんくさい痩せるというふれこみのボディオイルを紹介されたからだ。
よくわからない割引とか考える暇を与えないセールストークとか違和感はあったが、それが駄目押しだった。そんなに簡単に人間は痩せるわけない。
買おうか迷っていた商品も途端に訝しく思えた。
強引さは営業において必要なことなのかもしれない。
しかしそれが失敗の要因にもなるのだなと、自分のことながらしみじみ思ってしまった。
適材適所
職場にえらく仕事ができないおっさんがいる。
「仕事ができない」ってすごい上から目線の表現だなとおもうのだけど、そんなこと気にしている場合じゃないくらい「できない」のだ。
おっさんはもともと小さな事業所のトップだったのだけどトラブル(詳細不明)を起こしたらしく、私のいる大所帯の部署に引き取られることとなった。
一応係長という体だが、やってることは我々平社員と同じである。
仕事の内容はデスクワーク。申込書をもとに書類を作成(起案)、それを部署にいる年数の長い社員が点検し、上司にはかり上司が決裁というもの。
おっさんは起案係で、私は点検係。
おっさんの駄目な点は以下のとおり。
・締切までに仕事を終わらせられない。昼休みもデスクに弁当を広げて作業し、誰よりも遅くまで残っているらしいにもかかわらず。仕事を割り振られているのかというとそうでもない、平均的な作業量だと思われる。
・調べることができず、すぐ質問をしてくる。荒っぽい言い方をすればggrks。
・過去の経験から推測できることも、すぐ質問をしてくる。少しは応用をきかせてほしい。
・作成した書類を確認すればわかることをいちいち口頭で報告してきて、これでいいのか念押ししてくる。
・口頭での説明時、要点や結論になかなかたどり着かない。
新卒の新人であれば辛抱強くかつはっきりと教えられるが、相手は給料倍はもらっているであろうおっさんである*1内心失望もするし、接するときに立場上遠慮もしてしまう。
とはいえ、一番つらいのはおっさん本人であろう。
仕事は格下の社員に手伝ってもらってやっとこなし、年下格下の社員から注意を受け内心呆れられている状況。とはいえ、妻を養っていかなくてはならず、仕事はやめられない…
自分が同じ立場だったら…。想像するだけでつらい。
私自身、学生時代体育がおそろしくできなかったので、「できない」ことに対する歯痒さは痛いほどわかる。
小さな事務所とはいえ、トップまで昇進はしていたのだし、おっさんにも輝ける場所はあるはずだ。
人事にははやくおっさんを適当なところに配置してもらいたいし、おっさんにはその秘めたポテンシャルをどうにか発揮してもらいたい。
*1:うちの部署は残業申請もきっちりしているし、残業代もきちんと支給される。
清瀬に行った話
是枝裕和展が清瀬の郷土博物館で開かれると知り、行ってみました。
隣の秋津には何度か行ったことがありましたが、清瀬に降り立ったのははじめて。
駅構内には秋津にあるおいしいと評判のパン屋さん*1が入っていたり、スタバがあったりと他の駅にはないアーバンでおしゃれな感じが漂ってました。
と思ったけど、甘かった。
徒歩2分くらいであたりは畑に。
畑。畑。はたけ…
東京都とは思えないのどかさ。
郷土博物館じたいも住宅地の一角にあって、本当にあるのか疑わしかったのですが
きちんとあった。
展示は本当にすばらしかったです。
・是枝監督の過去の作品について
・最新作「海よりもまだ深く」について
・作品の舞台となった旭が丘団地について
がうまいこと掘り下げられていて、広くないスペースにもかかわらず大変見ごたえがありましたよ。
役者さんが作品内で着用していた衣装も展示されていて、真木よう子さんのものがださかったです。映画の中ではみじんもそんなこと感じさせなかったので、「やっぱり服は着ている人間次第でどうにでもなるのだな」と身も蓋もないことに気付かされました。
近所の人たちと思しきご老人がたくさんいらっしゃっていて、しかも世間話をしている者だから、なかなかにぎやかな感じでしたよ。作品が作品だけにあじわい深さを感じましたが、違う作品だったらうるさいと思ったかもしれないですね。
帰りは郷土博物館側と逆のほうを散策。
写真は無いのですが、駅前にあるOKストアという雑多な感じのスーパーがめちゃくちゃ安かったです*2
パン屋も多いし、サンリオグッズの豊富なお店もあるし、スーパーも北口南口両方にあるので住みやすそうだなと思いました。
家賃も23区内や中央線沿線に比べたらべらぼうに安いですし。
でも駅の入り口にエスカレーターがついてないのはちょっと難かな。
<おまけ>見てるぞ。*3
友達がいない人
勤務先で隣に座ってる妙齢の女性とふとしたことで異性の話になった。
彼女は友達の少ない男性をこき下ろしていた。他人の意見を聞く機会がないから視点が狭い、ストーカーになりやすいとかなんとかで。
彼女が正論を言えば言うほど、私は落ち着かなかった。なぜなら私も友達が少ないからだ。相槌をうってはみたものの、なんだか自分が批判されてるみたいで落ち着かなかった。
2年前、転勤がきっかけで家族も友達もほぼいないところに引っ越すことになった。
転勤する前は学生時代の友達も近くにいたし、同じ職場だった人と遊んだり、気軽に実家に帰ったりできた。
今はそれがなかなか難しい。隣県に住んでいる高校の同級生と2、3か月にいっぺん遊ぶくらいだ。ちなみに彼女は友達が多いし、年下の彼氏もいる。
転勤してからの新しい友達はいない。コミュニケーション能力の低い事務職員には新規開拓営業ほど難しいことはない。とはいえ、同じ職場で一緒に遊ぶ仲の人間をどんどん作ってる人はごまんといる。
歌人の穂村弘さんが10年近く同じスポーツクラブに通っていてひとりの知り合いもできなかったが、周りの会員はコミュニティをつくっていたという旨のエッセイを昔書いていた。とてもよくわかる。(ちなみに昔穂村さんの講演を聞きに行ったことがある。ウィットに富んだ話をされる非常に魅力的な方であった。)
私の場合はスポーツクラブもそうだし、twitterもそうだった。同じ趣味でリプライ飛ばし合う仲の方はいるが、どうしてもお会いする勇気がわかない。同じライブハウスにいることはわかっていても。
こみいった会話をしたり、インターネット上の間柄だと会ったりという「もう一歩」が踏み込めないのだ。
そんなこんなしてるうちに周りの人たちはフランクに会話しあってるし、ネット上でも複数のフォロワさんたちがグループを作って一緒にフェスに行ったりしてる。
顔が老け顔でゴリラや谷亮子参院議員や朝青龍に似てるとか、動きがきもちわるいとかいろいろあるけど、どうにかもう少し人との距離をうまくつめていけたらとおもう。